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那須に所有する山小屋(セカンドハウス)の話を中心にキャンプや旅行の話も

負の遺産

那須高原の山小屋(別荘/セカンドハウス)を買った際、友人から、子どもに負の遺産を遺してどうするんだと言われたことがありました。

 

多くの別荘地が開発から数十年の時を経て、たとえば今なお人気を誇る別荘地であっても、使われず放置された建物が在ったりしますし、那須にも廃墟と化した別荘地が存在しています。

自分の別荘地内でも、明らかに長年放置され苔むした建物を見たことがありました。

 

実際そういった廃墟を目にしていなくても、別荘と聞けばなんとなくネガティブなイメージを思い描く人もいるわけです。

ネットを検索してみれば、悲哀をもって紹介されるかつての別荘地や廃墟を容易に目にしますし、また、わたしが直接見知った話でも、別荘といえばかつてのバブル崩壊とともに語られることもしばしばあり、すこし切ない面があることは否めません。

 

本日は、わたしが知る別荘関連の小話を綴ってみたいと思います。

 

 

はじまりはすべて、世がまさにバブル景気で沸いていた頃。

 

茨城県某別荘地)

母の知人の旦那さんが茨城県某所の別荘地に土地を購入しましたが、 やがてバブルが崩壊。数千万したはずのその土地に、その後、建築関係のお仕事をなさっていた旦那さんご自身で建物を建てるべく家の基礎だけ外注で施工しておいたところ、不幸なことに旦那さんはまだまだ働き盛りで病死してしまいます。

その後十数年、売るに売れないその土地はやむなくそのままの状態で残されていたのですが、数年ほど前、3万円で買い取るという方が現れ手放すことができたといいます。

また那須にも土地を購入していたらしく、そちらはご家族がその所在地もよく把握できないまま今に至っているようです。

 

(栃木県某別荘地)

わが亡き父のロータリークラブの仲間であった方が栃木県内にある某別荘地の土地を購入したのですが、その後手放そうにも土地だけだとどうしても売れず、その方はご自分のお子さんたち(とうに成人、独立済)と相談し、いずれはお子さんたちが引き継ぐという前提でログハウスを建てたそうです。

現在、その方は自宅とログハウスを行き来して、老後のデュアルライフを楽しんでいらっしゃるとのこと。

 

(ゴルフ会員権と那須の別荘)

かく言うわが亡き父も、当時那須に別荘を買うかゴルフの会員権を買うかの2択で、結局ゴルフの会員権を選んだというエピソードがあります。

これはもうバブル崩壊後は、数千万の価値があったはずのものが、ご想像どおり文字どおり泡のごとくはじけてしまったわけですが。

これがもし那須の別荘であったなら、今ごろどうなっていたんでしょうね。

友人の言う「負の遺産」になっていたでしょうか。

おそらく、土地を購入し建物(別荘)を建てぬままでしたら、前述の方と同じで、手放そうにも手放せないという状況になっていたと思います。

 

(親が所有する那須の別荘)

わが社の社員で元経営者のご子息がいるのですが、親名義の那須の別荘があり、やはりバブル期に購入した物件のようです。

今でもたまに利用するらしいのですが、滞在するには布団からなにから持ち込まないと過ごせないから(不便)…と話していました。

まだご両親ともご健在ですし、自分より年上のご兄弟が複数人いるので、現時点で本人はその別荘の行く末をとくには気にしませんし、実家が所有する資産のひとつと捉えているようです。

 

 

こんな風に、ちょうど自分の親世代は働き盛りにバブルが到来し、おそらく主に投機的な目的で別荘地を購入していたと思われ、それがバブルが崩壊すれば言わずもがなの結果となったわけです。

 

こんな時代を知っているから、友人の口から「負の遺産」という言葉が出たのかもしれません。

 

わたしがほんの一時所有していた那須高原の山小屋(別荘/セカンドハウス)。

あれも「負の遺産」だったのでしょうか。

見る人から見れば負の遺産以外の何物でもないのでしょう。

無価値(ゼロ)どころか負(マイナス)であると。

 

でもわたしも前のオーナーも、あの別荘に惹かれ価値を見出し、さらなる価値を与えて次のオーナーへと繋げていきました。

現時点では価値ある資産として存在するからこそ、わたしを含め4代ものオーナーに愛されたわけです。

 

現オーナーさんもよりよい形で次へと繋いでいけますように。

切に願っております。

 

(終)

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